グループ躍進に向けて、問われる兼喜会員の役割

 日本経済は、金融ビックバンに代表されるように大きなうねりの中にあります。建設業界も、バブル崩壊によって被った財務体質の改善をはじめ、入札制度の見直し、外国企業および異業種の建設業界への参入、建設作業者に影響が大きい高齢化・少子化の問題、環境問題、顧客ニーズが強い高品質・低価格指向への対応など、数多くの課題と共に大きな試練に立たされているのが現状です。
 清水建設は、平成10年(1998)4月、今後の難局を切り開いくため新経営3ヵ年計画を立て、その厳しい内容については、全国連合兼喜会の千葉大会に出席された当時の今村社長から直接報告を受けました。総合建設会社の窮状について説明され、その中で他社の下請問題の流動化にもふれられましたが、最後に「清水建設は生きるも死ぬも兼喜会と一緒だ」というありがたい言葉をいただきました。われわれ全国連合兼喜会員は、今村社長のこの言葉の重みをしっかりと受け止め、厳しい環境の中で一刻も早く自ら変革を行い、自社の甲羅の大きさに見合った経営基盤を固めていく必要があります。そして、会員一人ひとりが「シミズグループのために、自分は何ができるのか?何をやらねばならないか?」を明らかにし、“技術の清水”のハード面を担う専門工事会社として一層の自覚を持ち、実力をつけなければなりません。
 全国連合兼喜会もシミズグループのさらなる飛躍に貢献できるよう、清水建設の新しいニーズに合った組織、活動の活性化を急ぎます。そして兼喜会史に意義ある新しいページを刻み、明るい笑顔で次の中継点である創立50周年を迎えたいと願っています。