先月4月に公表されました建設経済研究所の予測では、今年度の建設投資は前年比9%もの
大幅減少で、38兆5千億円
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程度と見込まれるということであります。この数字は、実に昭和52年度当時の水準まで落ち
むとというものでありま
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す。(33年前)
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このような想定を遥かに超える現象が続いていることから、建設業界、特に経営基盤が弱く、労務比率の大きい専門工事業 |
界ににとって、押し寄せる影響は、耐え難いものに
なっている
と言っても過言ではありません。
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この仕事量の激減を如実に示しておりますのが、最近の建設技能者の確保定着の状況であります。国土交通省の最近の調査
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によれば、これまで躯体3職種は、長期にわたり労働者不足また過剰気味を繰り返していましたが、昨年からは大幅に過剰
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に
転じるなど、かって経験したことがないほどの 異常な事態に陥っています。 |
このことは、私たちがこれまで歯を食いしばって努力を重ねてきました技能者の待遇改善や、技の伝承、品質向上、安全確
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保のための方策などが多くの面で、後退することが懸念されるところであります。 |
しかしながら、このような時期であっても、あるいはこのような時期だからこそ、少数精鋭のもと専門工事業の現場を支え
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ている職人、技能者達が安心して働ける環境を提供し続ける必要性は高まってきているのではないでしょうか。 |
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どうか目先のことにばかりにとらわれることなく、私たち専門工事業経営者は、「ものづくり」という原点に立ち返って
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職
長・技能者の処遇を、今一度、真剣に考えてみようではありませんか。
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このような状況の中で、我々兼喜会会員は、まさに100年に一度の
危機を 清水建設と一体となって乗り越えるべく、実
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効ある行動を起こさなければならない時期に 差し掛かっていることは、改めて申しあげるまでもないところと思います。 |
まさに 兼喜会会員1社1社の技能力・技術力を清水建設の目指す方向に結集しつつ、この難局を突破することが急務とな
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っています。 |
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そのためには、私は兼喜会会長として、この機会をお借りして、お店側に、特に次の点を強くお願いしたいと思ってお
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ります。宮本社長が、兼喜会報「新春のご挨拶」で、近年、現場での業務が多岐にわたるにつれ、じっくりと“ものづく |
り”に専念し難くなっているという現実を踏まえて、人材育成や仕事のやり方を幅広く見直して、再構築しようという視点 |
から「ものづくり強化運動」を推進されておられる。という記事が掲載されていました。
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それには、清水建設と兼喜会がコミュニケ−ションを深め我々専門工事業者が行います施工提案を従来以上に活用して
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いただき、「ものづくり強化運動」を車の両輪となって一層のものにしていただきたいということであります。
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この1点だけであります。 |
受注されました工事については、職長クラスによる施工方法検討会等での提案にとどまらず、入札段階での総合評価方式に
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参加の際にでも、清水建設の内部検討会での施工提案等の機会が得られますようご配慮をいただけますなら、我々としても
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積極的に参画させていただきたいと思っております。
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当然、我々専門工事業者側としても、清水建設の期待に十分添えるえることができるように、日々の研鑽を積む努力は 全
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く惜しむものではありません。 |
幸いなことに私たちには「日本で一番良いものを造るのが清水建設で、それを造り上げるのが兼喜会」という永年にわたっ
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て培われてきた誇りと、車の両輪に例えられる程の堅い絆があります。 |
このような先の読めない不安定な時代であるからこそ、目先の現象に一喜一憂することなく、今いただいている仕事に感謝
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の気持ちを持ってキチンと納めることが一番大切であると考えております。 |
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この後式次第にございますように、2010年度事業報告や2011年度事業計画案などの重要議案をご審議いただく運び
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になっております。どうか、忌憚のないご意見を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。 |
少々長くなりましたが、清水建設と兼喜会の 今後ますますのご隆昌と本日ご臨席皆様方のご健勝を 心よりご祈念しつつ
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開会のご挨拶といたします。 本日は誠にありがとうございました。 |
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